副業ありきの転職論

このコロナ禍において、自分の可処分時間というものが増え、色々人生について考えたり、副収入を得る人も増えた事だろう。

この超ボーナスな状況を活かさない人は、明らかにタイミングを逸しているといってもいい。

しかし、僕はこの状況がいつまでも続くとは思っていないし、いつもの生活に戻れば、自分を見つめなおす時間などそうそうやってこない。気づいたら10年過ぎていた、なんて当たり前に起きる話だ。

僕もサラリーマンという身であるから、いつゆるふわな部署から激務部署へ異動するかわからなかったので、そうした事態に備えて、コロナでのテレワーク期間を十分に活用して、半自動的に金を生み出すパイプラインをセコセコと築いてきた。

と思っていた矢先、激務部署への異動がめでたく決まった。

自分で金を稼いでみると分かると思うが、思考の幅が広がって、色々勉強しなければならない事がたくさん出てくる。可処分時間はいくらあっても足りないのだ。

いくら半自動的に稼げるといっても、やはり自分にとって一番大事なのは「時間」である。

 

激務部署は可処分時間を容赦なく奪いに来るので、どうしたものかと考えていたが、一つの解としては、やはり転職というのもありだという考えに至った(激務部署で使えない判定をもらい、窓際に送られるのもアリといえばアリ)。

せっかく事業所得を得ているので、そこを活かした転職を考えなければならない。

このツイートに僕の考えが集約されている(あまり共感者はいなかったが)。

結論

結論から言うと、「事業所得と給与所得を合算したものを真の年収と捉えて、企業なり業界なり年収を選んだ方がいいんでは?」という事だ。

どういうことだろうか?一つずつ見ていきたい。

※ちなみに、この記事の考え方を思いついたときにmotoさんの「転職と副業の掛け算」に同様の内容が記載されていることを危惧したが、全く触れられていなかったので、安心して記事を書き進めている。

また、一つ断っておきたいのは、給与所得と事業所得という種類の違うものを一緒くたに考えることには、ちょっと無理があるかもしれないので、大枠で捉えてもらえたらありがたいという事だ。

 

まず、サラリーマンの年収というのは、「額面」であり、「可処分所得」は別というのは有名な話である。年収1000万円の可処分所得は約750万円である(所得税、社会保険料、住民税が引かれているからである)。つまり、社保と所得税、住民税は約25%という計算。

一方、本業の年収300万円、副業の純利益(色々やって手元に残った金)が700万円の場合、社会保険料その他税金は300万円に対してしか掛からない為、可処分所得は925万円となる。

この時点で、175万円の差額が出ている

 

これは、よくツイッターでみられる「三○物産やぞ!」が中小企業の年収の低いおっさんに、実はボロ負けしている理屈なのだ(法人だとちょっとルールが変わるけど、大枠はこんな感じだ)。

これを転職の際の業界、企業選びに活かそうというのが今回の考え方だ。

 

もう少し解説すると、「本業の年収を落としても、実質の可処分所得は変わらない、もしくは増えるという状況を作り出し、暇な業界で可処分時間を最大化し、その時間を事業所得の最大化に投下しようぜ!」という事だ。

本業年収300万円というのは少し極端な例だが、例えば、本業1本で1,000万円だとしたら、年収を650万円程度に落として、副業で350万円を得られるなら、可処分所得は835万円となり、これでも年収1,000万円のサラリーマンよりも、実入りは大きいことになる。

年収1,000万円のサラリーマンというのは数%しかいないトップ層であるが、激務であることも多い。

であれば、給与所得と落とし、時間という資産をなるべく確保して、事業所得を最大化することに専念する方が、人生という枠で見たときに、はるかにメリットが大きいという事がわかるだろう。

 

ただし、注意点もある。

 

低年収業界はブラック気質が横行している可能性がある

いくらまで給与所得と落とすかによるが、給与所得が低い業界は下請け業者であることもあり、元受けから仕事を押し付けられるという事も多い。

そのため、構造的にブラック体質になりがちという事がある。

もちろん一概に言えないし、転職してみない事にはわからないので、運も関係してくるけど。

 

事業失敗のリスク

当然、事業は失敗のリスクを孕んでいる。売上も毎月安定しているわけではなく、バッファをしっかり考えることが必要となる。

 

自己肯定感の喪失

一般的に、年収(給与所得)を落とすという事は、大企業から中小企業への転職という事になる。大企業への帰属意識が強い人は、これが一番厳しいかもしれない。

何年も勉強して、大企業に入って、という自分の半生を否定されるような気がするからだ(高学歴の人が陥りやすいというのも頷ける)。

要はメンタルブロックをどれだけ外せるかという事だろう。

 

取りうる戦略

上記の注意点を踏まえたうえで取りうる戦略としては、以下の通りだろう。

・事業所得をできるだけ最大化、安定化させる。

・事業所得の落ち込みを予め織り込んでおく。

事業所得のボラをどこまで考えるかだが、最悪時の想定が必要となる。事業の形態によるが、個人的には50%落ち込んでも大丈夫な前提で考えたい。

・その上で、現在の可処分所得を維持できるレベルの年収をもらえ、かつ時間という資産を最大化できる企業、業界に転職する。

給与所得、事業所得は個人によって違うし、一概には計算できないが、給与所得は25%源泉徴収されることを前提に転職を考えることは、今後必要になってくると思われる。

※ちなみに、事業所得における「実質的に手元に残る金」は、色々やり方あるが、そこはちょっと勉強が必要だったり、人に裏技的に聞く事で何とかなるので、ここでは割愛する。

ただし、損益通算の考え方は必須になるので、ここは最低限押さえておきたい。

損益通算とは、各種所得金額の計算上生じた損失のうち一定のもの(下記2(1)~(4)記載の所得)についてのみ、一定の順序にしたがって、総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額等を計算する際に他の各種所得の金額から控除することです。

国税庁HPより

 

時間を最大化させたい人は、どうか参考にしてみてほしい。

 

おわり

 

 

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